インターネット閲覧中に突然ウィルスに感染しパソコンが使えなくなると言った警告が出たりすることが有り、回復するための料金を支払うよう依頼されるなどの詐欺事件が多数発生しているようです。同様の詐欺手口と詐欺にかからない対策など
インターネットを利用している時に突然現れる「ウイルスに感染しました」といった警告画面は、「サポート詐欺」と呼ばれる非常に巧妙な詐欺の手口です。ユーザーの不安を煽り、冷静な判断をできなくさせて、金銭をだまし取ろうとします。
サポート詐欺の主な手口
これらの詐欺は、いくつかの段階を経て行われます。
- 偽の警告画面の表示と警告音: ウェブサイトを閲覧中に、突然画面全体に「ウイルスに感染しました」「パソコンがロックされました」といった偽の警告メッセージが表示されます。同時に、けたたましい警告音や音声が鳴り響き、ユーザーの不安を煽ります。多くの場合、画面は全画面表示になり、閉じることができないように見えます。
- 偽のサポート窓口への誘導: 警告画面には、マイクロソフトやアップルなど、実在する大手企業のロゴが使われていることがよくあります。そして、「今すぐこちらのサポートに電話してください」といったメッセージと共に、電話番号が表示されます。この電話番号は詐欺師の連絡先です。
- 遠隔操作ソフトのインストールと金銭要求: 警告画面の指示に従って電話をかけると、IT企業のサポート担当者を名乗る人物が電話に出ます。彼らは「ウイルスを駆除するためにパソコンを遠隔操作させてください」と持ちかけ、遠隔操作ソフトをインストールさせようとします。パソコンを遠隔操作しながら、あたかもウイルスを駆除しているかのように見せかけ、「サポート費用」として多額の金銭を要求してきます。
- 支払いの手口: 支払いは、コンビニで買える電子マネー(ギフトカード)や、銀行振込、インターネットバンキングなど、追跡が難しい方法を指定されることが多いです。
サポート詐欺に遭わないための対策
このような詐欺に遭わないためには、冷静な判断と適切な対処法を知っておくことが非常に重要です。
- 表示された警告を信用しない パソコンに突然表示されるウイルス感染の警告は、ほぼ全てが偽物です。本物のウイルス対策ソフトやOSの警告は、警告音が鳴り響いたり、電話番号の表示を促したりすることはありません。画面全体に表示され、閉じることができない場合は、詐欺の可能性が極めて高いと疑いましょう。
- 表示された電話番号には絶対に電話をしない これが最も重要な対策です。電話をかけない限り、被害に遭うことはありません。どんなに不安を煽られても、表示された電話番号には絶対に電話しないでください。
- 画面を強制的に閉じる 偽の警告画面は、閉じられないように見えますが、強制的に閉じることが可能です。
- キーボードのショートカットキーを使う:
- Windowsの場合: Ctrl + Alt + Delete を同時に押して「タスクマネージャー」を起動し、ブラウザ(Google Chrome、Edgeなど)を選択して「タスクの終了」をクリックします。
- Macの場合: Command + Option + Esc を同時に押して「アプリケーションの強制終了」からブラウザを選択し、強制終了します。
- パソコンを再起動する: 上記の操作が難しい場合は、パソコンの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンし、再起動してください。
- キーボードのショートカットキーを使う:
- 遠隔操作を許可しない・金銭を支払わない もし電話をかけてしまった場合でも、相手の指示に従って遠隔操作ソフトをインストールしたり、金銭を支払ったりしないでください。少しでも不審に感じたら、すぐに電話を切ることが大切です。
- セキュリティソフトを導入・更新する 信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態にアップデートしておきましょう。多くのセキュリティソフトには、危険なウェブサイトへのアクセスをブロックする機能が備わっています。
もし被害に遭ってしまったら
万が一、金銭を支払ってしまったり、遠隔操作をされてしまったりした場合は、すぐに以下の窓口に相談してください。
- 警察: 最寄りの警察署、または警察相談専用電話「#9110」に連絡しましょう。
- 消費者ホットライン: 「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながり、専門家が対応してくれます。
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構): 情報セキュリティに関する技術的な相談にのってくれる「情報セキュリティ安心相談窓口(03-5978-7509)」があります。
詐欺の手口は日々巧妙化しています。突然の警告画面が表示されても、決して慌てず、まずは冷静に上記の対策を試してみてください。