理想の崩壊と力による支配の再来。講談社現代新書の最新刊、世界現代史は、なぜ力こそ正義という残酷な論理が蘇ったのかを問う。混迷を極める国際情勢を鋭く分析し、平和への淡い期待を打ち砕く真実の歴史を、今こそその目に。

私たちは、歴史という階段を一段ずつ登るように、より平和で理性的な世界へと進んでいるのだと信じてきました。対話が暴力を抑え、法が権力を律する。そんな輝かしい理想が、二十一世紀の幕開けとともに共有されていたはずでした。しかし、今私たちの目の前に広がっているのは、強者が弱者を蹂ンジし、むき出しの武力が全てを決定づけるという、目を疑うような光景です。講談社現代新書の一九五三巻目として登場した本書は、私たちが目を逸らしたかった「力こそ正義」という非情な現実の再来を、歴史の必然として描き出します。
著者の筆致は、あまりにも冷徹で、かつ情熱的です。冷戦終結後の束の間の安定がいかに脆い均衡の上に成り立っていたのか、そしてなぜ世界各地で独裁や侵略が再び肯定されるようになったのか。その背景にある、大国たちのエゴイズムと、形骸化した国際組織の限界を、膨大な知見を基に暴いていきます。ページをめくるたびに、私たちが教科書で習った「進歩」の概念がガラガラと音を立てて崩れ去り、剥き出しの生存競争という世界の真の姿が露わになります。
本書を読んだ方々からは、知的な戦慄を覚えたという切実な感想が寄せられています。
「平和を維持するために必要なのは、祈りではなく、冷徹なまでの力の均衡なのだと思い知らされました。自分がどれほど甘い幻想の中に生きていたのかを痛感し、暗澹たる気持ちになりましたが、同時にこの現実を知らなければ、大切なものを守ることもできないと強く感じました。今、日本人が最も読むべき重い問いかけが詰まった一冊です」
「なぜ、力こそ正義という野蛮な論理が現代に蘇ったのか。その謎が解けると同時に、これからの世界がたどる過酷な運命を予感し、背筋が凍りました。新書というコンパクトな形でありながら、ここには現代を生き抜くための最も鋭利な視点が凝縮されています。私たちは、二度と以前と同じような呑気な気持ちでニュースを見ることはできないでしょう」
本書は、あなたに安易な希望を与えません。しかし、偽りの希望よりも、残酷な真実の方が、時には人を強くすることがあります。私たちが立っている場所が、どれほど深い淵に面しているのかを知ること。それが、真の平和を模索するための唯一の出発点なのです。
歴史の転換点に立ち会っている今、この一冊を手に取ってください。最後の一頁を閉じたとき、あなたは激動する世界の鼓動を、以前よりもずっと生々しく、自分自身の鼓動として感じるはずです。





















