なぜあの悲劇は繰り返されたのか？旧日本軍の組織的失敗を徹底分析した傑作。現代社会に通じる教訓が満載。ビジネスパーソン必読の、日本人が抱える組織的欠陥を鋭く指摘した一冊！

2025年9月8日

「なぜ、日本は戦争に負けたのか？」

その問いに対して、あなたはどのような答えを思い浮かべますか？

この本は、第二次世界大戦における旧日本軍の敗北を、単なる兵器や戦術の優劣ではなく、「組織」という視点から徹底的に分析した、歴史的名著です。

日本の陸軍と海軍は、なぜ無謀な作戦を敢行し、なぜ悲劇的な敗北を繰り返したのか？

それは、彼らの「組織としての欠陥」にあったと、本書は鋭く指摘します。

そして、その欠陥は、戦後の日本社会、ひいては現代の私たちの企業や組織にも、深く根付いていると警鐘を鳴らします。

これは、過去の歴史を学ぶための本ではありません。私たちが、同じ過ちを繰り返さないために、「日本人の組織」の弱さを知るための、必読の書です。

誰もが気づかなかった、日本軍の「組織的失敗」

『失敗の本質』の最大の魅力は、日本軍の具体的な作戦を詳細に分析し、その失敗がなぜ起きたのかを、客観的なデータと論理で解き明かしていく点にあります。

「空気」を読む文化： 明確な命令や目的がないまま、その場の雰囲気に流されて作戦が決定されていく。この「空気」を重視する文化が、無謀な作戦を生み出し、悲惨な結果を招いたと分析します。
非合理的な精神主義： 「大和魂」や「玉砕」といった精神論が、科学的なデータや合理的な判断よりも優先された。これにより、無益な犠牲が繰り返され、敗北へと繋がっていったと指摘します。
情報の軽視： 敵の情報を軽視し、自国の都合の良い情報だけを信じる。そして、不利な情報は報告されない。この情報の軽視が、正確な状況判断を妨げ、敗北の大きな要因となったと論じます。

これらの分析は、私たちの日常にも通じるものです。会議で誰も反対意見を言えない、根拠のない「熱意」でプロジェクトが進められる、不都合な真実が隠蔽される。そうした日本の組織に共通する「病」を、本書は70年以上前の歴史から浮き彫りにします。