【AmazonKindleランキング1位!】衝撃の外交ドキュメント!中国の“虎”が牙をむく!緊迫の交渉舞台裏を完全暴露した垂秀夫元大使の「日中外交秘録」。政治・国際情勢のリアルがわかる必読の書。

現代日本の外交史に、これほどまでに生々しく、そしてスリリングに刻まれた記録が他にあるだろうか。

『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』は、日本と中国という、世界でもっとも複雑で繊細な関係にある二つの国の間で、最前線に立ち続けた男の真実の記録である。著者は、2020年から2023年まで駐中国大使を務めた垂秀夫氏。彼は、日本外務省きっての「チャイナ・スクール」のエースとして知られ、中国語を駆使し、中国の文化、政治、人々の思考様式を深く理解していた。しかし、その知識と経験をもってしても、彼が直面したのは、一筋縄ではいかない、ときに非情な現実だった。

本書は、単なる回顧録ではない。それは、中国という巨大な権力国家と対峙し、国益を守るために奮闘した、一人の外交官の魂の叫びであり、知られざる舞台裏の物語である。

たとえば、日本人の拘束事件。日本の安全保障に関わる重大な情報が、いかにして中国側に把握され、なぜ拘束に至ったのか。そして、その裏で、垂大使がどのような水面下の交渉を進め、何を画策し、どのような困難に直面したのか。本書では、これまで決して語られることのなかった、緊張感あふれる交渉の様子が克明に描かれる。

また、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った時、日本と中国の関係はいかに変化したのか。中国で蔓延する感染症の情報、そして、中国政府の対応。日本大使館として、いかにして情報を収集し、邦人の安全を確保しようとしたのか。その緊迫した日々が、読者の心を揺さぶるだろう。

さらに、本書の核心をなすのが、「経済」と「安全保障」という、現代の国際関係を読み解く上で不可欠な二つのテーマである。中国の経済発展は、日本にとって大きなビジネスチャンスである一方で、軍事的な脅威は、日本の安全保障を揺るがす。このジレンマの中で、垂大使はどのような判断を下し、どのようなメッセージを中国側に送り続けたのか。

本書を読めば、私たちは、日本と中国の関係が、単なる「友好」や「対立」という単純な二項対立では語れないことを痛感するだろう。そこには、複雑な思惑、歴史的な感情、そして、国益をかけた熾烈な駆け引きが存在する。

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そして、本書の魅力は、その迫力ある内容だけにとどまらない。垂大使が綴る文章は、ときにユーモラスであり、ときに人間味あふれる。彼は、中国の官僚や政治家を単なる「敵」として描くのではなく、彼らとの人間的な交流の中で、彼らの思考や行動の背景を理解しようと努めている。その姿勢は、私たちに、国際関係をより深く、多角的に理解する視点を与えてくれるだろう。

『日中外交秘録』は、国際情勢に関心がある人、日本の外交の現実を知りたい人、そして、一人の男が国家の命運をかけて闘った物語に心を揺さぶられたい人、すべての人に読んでほしい一冊である。これは、過去の記録であると同時に、未来の日本のあり方を考えるための羅針盤でもある。この一冊を手に取り、緊迫の日中外交の最前線に、あなたも足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

Posted by 鬼岩正和