大東亜戦争で日本が“3000万人を虐殺した”という衝撃的なプロパガンダは本当か? 歴史戦・フェイクニュース・国際政治の闇を日米19人の研究者が徹底検証!真実の日本史と戦後世界秩序を問い直す必読の歴史ノンフィクション。

『大東亜戦争で“3000万人”虐殺の大嘘 『ジャパンズ・ホロコースト』の正体』は、戦後長らく語られてきた「日本による数千万人規模の虐殺」という言説の虚構性を、多角的に検証した挑戦的な書です。日米両国から集結した19人の研究者が、歴史的事実、統計、国際関係、プロパガンダの構造を徹底的に洗い直し、その実態に迫ります。

本書がまず問題視するのは、「3000万人虐殺」という数字そのものです。そもそも、この根拠はどこにあるのか。戦時中や戦後の一次資料、各国政府の統計や人口調査を精査すると、そのような膨大な犠牲者数を裏付ける事実は見つかりません。にもかかわらず、この数字があたかも“歴史的事実”のように流布され続けている背景には、冷戦構造下での情報戦やイデオロギー対立が深く関わっていることが明らかにされます。

さらに本書は、この言説が国際政治で果たしてきた役割に鋭く切り込みます。日本を“加害者国家”として固定化することは、戦後の占領政策、東アジアにおける勢力圏の維持、そして現在に至るまでの対日外交カードとして利用されてきました。その構造を丁寧に解きほぐすことで、歴史叙述が単なる学問領域にとどまらず、現実の国際関係を左右してきたことが浮き彫りになります。

また、本書の大きな特色は「日米共同研究」という点にあります。日本側の視点だけでなく、アメリカの研究者たちも冷静かつ実証的な検証に加わり、従来の“勝者の歴史観”に疑問を投げかけています。その成果は、単なるナショナリズムに陥らず、学術的な裏付けと国際的な客観性を備えた議論として展開されているのです。

扱われるテーマは、南京事件やフィリピン戦線、中国大陸での戦闘行為から、戦後の国際裁判、占領下の情報操作にまで及びます。「虐殺3000万人」という荒唐無稽な数字が、どのように生まれ、拡散し、定着していったのか。そのプロセスを追うことは、現代におけるフェイクニュースや歴史戦を読み解くうえでも極めて示唆的です。

読者は本書を通じて、戦後の“常識”と思われてきた歴史像が、実は巧妙に仕組まれた言説に過ぎなかった可能性に直面することになるでしょう。そしてそれは、日本人としての歴史認識を再考させるだけでなく、国際社会で繰り広げられる情報戦に対する免疫を養う機会ともなるのです。

『大東亜戦争で“3000万人”虐殺の大嘘』は、歴史に対する鋭い問題意識を持つ読者はもちろん、国際政治やメディアの情報操作に関心を持つすべての人にとって必読の書です。戦後75年以上を経た今だからこそ、改めて「真実の歴史」とは何かを問い直す価値がある一冊といえるでしょう。

Posted by 鬼岩正和