次にX(旧Twitter)の代わりとなるようなSNSとは!?SNSの中でも、その情報拡散性の高さやユーザー数の多さなどから人気の高かったX(旧Twitter)ですが、イーロンマスク氏の買収以降ユーザーの離脱も目立っているようです。X(旧Twitter)の代わりは?
X(旧Twitter)が持つ高い拡散力のメカニズムと、イーロン・マスク氏買収以降に目立ったユーザー離脱の要因を整理し、そのうえで代替SNSの候補を検討します。
X(旧Twitter)は、リアルタイム性とシンプルなリツイート機能により、情報が瞬時に拡散しやすい構造を持っていました。同時にハッシュタグと「トレンド」表示がユーザーを巻き込み、さらにオープンなAPIによるサードパーティ連携が外部アプリやデータ分析ツールとの連動を可能にしていました。
一方、マスク氏による買収後は、モデレーション方針の変更、認証バッジの有料化、API利用料の大幅引き上げ、読み取り制限などが相次ぎ、信頼性や使いやすさが損なわれたとの批判が高まりました。これに伴い、米国市場だけで2ヶ月間に約270万のアクティブユーザーが離脱し、広告投資も減少するなど、プラットフォームとしての魅力が低下しています。
これらを踏まえ、代替として注目されるのは、ジャック・ドーシー発の分散型プラットフォーム「Bluesky」や、オープンソースでフェデレーション対応の「Mastodon」、Meta傘下の「Threads」などです。これら各SNSは、検閲ポリシーの透明性やコミュニティ運営、プライバシー重視、マネタイズ戦略の柔軟性といった面で差別化を図っており、X離脱層の受け皿となり得ます。
X(旧Twitter)の拡散性のメカニズム
リアルタイム性とリツイート機能
投稿がタイムライン上に即時反映され、ワンタップで他者に拡散できるリツイート(Retweet)機能が中核にありました。このシンプルさが情報伝播を加速させていたのです。
インプレッション数の増大
平均的なツイートは約2,121回のインプレッションを獲得しており、前年の1,206回から大幅に増加しています。
月間アクティブユーザー規模
2024年には全世界で約6.19億人の月間アクティブユーザーを抱え、TikTokやSnapchatに肩を並べる規模を維持していました。
ハッシュタグとトレンド表示
ハッシュタグで話題をカテゴリ化し、トレンド欄で注目ワードをリアルタイム提示することで、ユーザーの関心を集める仕組みがありました。
オープンAPIとサードパーティ連携
豊富なAPIを公開し、外部アプリやボット、データ分析サービスを通じてエコシステムを拡大していました。
ユーザー離脱の主な要因
コンテンツモデレーションとプラットフォーム方針の急変
買収後、右派寄りアルゴリズムの強化やコンテンツルールの曖昧化が進み、ヘイトスピーチや誤情報の増加を招いたとの指摘があります。
認証バッジの有料化
「Twitter Blue」サブスクリプション(月8ドル程度)でのみ認証マークが得られる仕組みに変更され、ジャーナリストや公的機関が認証喪失の憂き目に遭い、信頼性が低下しました。
API利用料の高騰と機能制限
年50万ドル超のAPI利用料設定や、未認証アカウントの投稿読み取り数制限など、外部ツールや研究者の利用が大幅に制約されました。
広告投資の減少と収益低下
2023年の収益は34億ドルと前年から22%減少し、多くの広告主がブランドセーフティ(企業イメージ保護)懸念から撤退しています。
規制リスクの顕在化
EUからデジタルサービス法(DSA)違反として最大売上の6%までの罰金を示唆されるなど、欧州市場での運営リスクが高まっています。
実際のユーザー離脱数
米国では2ヶ月間で約270万のアクティブユーザーが離脱し、代替プラットフォームへの移行が加速しています。
X(旧Twitter)に代わるSNSの候補
Bluesky
- 特徴: フェデレーション型の分散プラットフォームで、ユーザーがサーバーを選択可能。
- 強み: データ所有権とプライバシー重視、検閲の透明性が高い。
Mastodon
- 特徴: ActivityPubプロトコル準拠のオープンソースSNS。
- 強み: コミュニティごとのルール設定が容易で、健全な小規模コミュニティ運営が可能。
Threads (Meta)
- 特徴: Instagram/Facebookと連携するマイクロブログ型SNS。
- 強み: 既存の大規模ユーザーベースとシームレスな連携で導入障壁が低い。
Telegram / Discord / Reddit
- 特徴: チャット/フォーラム型のコミュニティ形成に強み。
- 用途: 専門トピックごとのディスカッションやマルチメディア共有に適する。
結論
X(旧Twitter)はかつて「リアルタイム情報拡散」の代名詞でしたが、買収後の急激な仕様変更と運営方針の不透明化により、多くのユーザーと広告主を失いました。今後は、プライバシー保護やコミュニティ運営の自由度、検閲方針の透明性を重視した分散型・オープンソース型SNS(Bluesky、Mastodon)、大手プラットフォーム連携型(Threads)などへの移行が進むと考えられます。これらの代替サービスは、単なる「Twitter代替」ではなく、新しいコミュニケーションの在り方を模索する場としての役割を果たすでしょう。