
生まれた環境や学歴のせいで、自分の人生にはもうこれ以上の希望なんてないと諦めかけている人は多いのではないでしょうか。手取りの少ないアルバイトを掛け持ちし、貯金も底を突き、将来の見通しも全く立たない暗闇の中にいるとき、社会そのものが自分を拒絶しているように感じられるものです。世間はエリートたちが作った都合の良いルールで動いており、持たざる者は一生搾取され続けるしかないという冷酷な現実に、ただ絶望して心を閉ざしてしまう気持ちも本当によく分かります。
しかし、財産も、帰る家も、安定した仕事すらも持たなかった1人のフリーターが、社会の頂点とも言える政治の世界へと殴り込みをかけ、見事にその地位を勝ち取ったという事実があります。この本は、エリートだけの特権階級だと思われていた政治の舞台へ、最底辺の泥水をすすりながら這い上がった男の、文字通りの死闘が克明に記録されたドキュメンタリーです。綺麗事のサクセスストーリーではなく、裏切りや偏見、そして冷酷な現実の壁に幾度もぶつかりながらも、自らの手で運命をこじ開けていく姿には、読む者の胸を激しく熱くさせる圧倒的なパワーがあります。
何より痛快なのは、自分を苦しめてきた社会の理不尽な仕組みを、当事者として内側から変えてやろうという執念です。地盤も看板もカネもない人間が、どうやって人々の心を動かし、巨大な既存権力に勝利したのかというプロセスは、現代を生きるすべての人にとって最高のサバイバルバイブルになります。何も持っていないということは、失うものが何もないという最強の武器になるのだという事実は、現状に息苦しさを感じている多くの人に強烈な勇気と光を与えるはずです。
「高卒フリーター、政治家になる。: 金なし、家なし、仕事なし。どん底から政治家になった逆転人生」
誰かが決めた限界の枠に収まり、自分の人生を諦める必要はまったくありません。どん底の絶望からでも、戦略と情熱さえあれば世界をひっくり返すことができるという圧倒的なリアリティを、この1冊が証明してくれています。今の厳しい現実に強い憤りや閉塞感を抱いているなら、この男の壮絶な生き様を自身の目で確かめてみてください。明日を生きるためのエネルギーが腹の底から湧き上がり、自分自身の人生に対する見方が劇的に変わっていくのを実感できるはずです。
